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レポート:11/28(水)スウィフト『ガリバー旅行記』

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2012年11月28日(水)19:00~21:00 テーマ読書「空想旅行」(1)
■課題本:スウィフト『ガリバー旅行記』(角川文庫ほか)
■参加者:3名(司会・JONYさんをのぞく)
■担当司会:ゲンツ

■内容としては・・・

今回もいつもどおり、ひととおり全体的な感想をうかがった後は、以下のお題に沿って進行しました。

(1)ガリバーは遍歴の際、諸国のどのような点に着目しているか(共通の観察パターンはあるか)?

→ガリバーは意外なことにさほど「冒険」していない。導入部分をのぞいては、多くの部分が統治者(国王)との対話に費やされている。しかも、その話題は政治・法・歴史といった事柄である。その際、英国との比較がおこなわれるが、こうして、ガリバーは自分の価値観を相対化するのである。


(2)ガリバーは最終的にフウイヌムに心酔してしまうが、フウイヌム国はそれ以外の諸国とどこがどう違っていたのか?

→他の国々と決定的に異なるのは、フウイヌム国には「支配」が存在しないということ。というのも、フウイヌムは純粋な「理性」的存在であり、神々にもひとしい精神をもっているからである。さらにフウイヌムの存在は、「ヤフー」(=人間)の醜い本性を逆照射する。


(3)なぜ、わざわざ著者(スウィフト)は、冒頭に「ガリバー船長より従兄のシンプソンへの手紙」と「発行者から読者へ」をもってきたのか?

→紆余曲折の出版経緯をのぞくとすれば、やはり「空想旅行」のリアリティを増すためではないか。自分の旅行記は嘘八百の旅行記と違って、「真実」のみを記したというガリバー自身の記述とともに、興味ぶかい。



■全体の雰囲気

今回はいつもよりも少なめの参加者でしたが、そのぶん、談義は密度の濃いものに。エピソード満載の冒険譚のなかに、それぞれがお気に入りの部分が見つけたというのも、面白かったです。参加者全員が児童書版を既読であった一方、原作体験ははじめてでした。フウイヌムやヤフーといった本質的な問題のみならず、変態科学者の実験や霊媒の島、不死の人間といった小ネタトークもおおいに盛り上がりました。参加者それぞれの「ガリバー」観が浮かびあがるなか、全員一致したのは、こんなヘンテコ作品を大真面目に書いた著者スウィフトの変人ぶり。「古典」のおもしろさを満喫した夜でした。
みなさま、ご参加、ありがとうございました。今回、リピート参加の方も、初参加の方も、ぜひまた次回ご参加ください。お待ちしております。

(ゲンツ)

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