東京クラシックス読書会

東京・半蔵門で、文学作品を味わう読書会です

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レポート:2/26(火)バルザック『ゴリオ爺さん』

『ゴリオ爺さん』

2013年2月26日(火)19:30~21:00
■課題本:バルザック『ゴリオ爺さん』(新潮文庫ほか)
■参加者:3名(司会・JONYさんをのぞく)
■担当司会:ゲンツ

■内容としては・・・

今回もいつもどおり、簡単な感想をうかがった後、「お題」に沿って進行しました。

(1)お気に入りの登場人物、とりわけラスティニャック、ゴリオ、ヴォートランの人物像

お気に入りの登場人物が見つかった人と、誰にも共感できなかった人に分かれたものの、バルザックの描く登場人物の「濃さ」については全員一致。人物の行動や何気ないひと言から、バルザックがいかに、あらゆる階層のあらゆる人々を観察しているかがよくわかる。特に、物語の軸となる主役級のラスティニャック、ゴリオ、ヴォートランの相互関係をどう捉えるかが、作品を味わう鍵となりそうである。

(2)本作でバルザックは一体、何を描こうとしたのか。

バルザックの巧みさは、独特の登場人物たちの行動を通じて、21世紀パリの社会構造を抉り出した点にある。どれかひとつの階級や党派に与するのではなく、「欲望」を原動力とする「社会」(「世間」)のメカニズムそのものを、浮き上がらせる構成になっている。状況や身分に応じて「欲望」は様々なありようを示すものの、そこに通底するのは、「欲望」の自己目的化こそが身の破滅を招くとする、バルザックの見解である。だが、難しいのは、人間から「欲望」を追放することはできないうえに、「欲望」が無ければ、「社会」は動かず、美徳や愛情さえも消えてしまうということだ。


■全体の雰囲気

今回は個性的な参加者に恵まれたおかげで、司会者自身も心から楽しめる読書会でした。とにかく会話が盛り上がる。バルザックが現代「社会」の原型を描いているということもあり、王政復古期Parisの話ではありながら、アベノミクス駆動前夜のTokyoと重なる点も多かったです。終了後の雑談時間でも、各人の「欲望」をめぐる、ぶっちゃけトークが尽きることはありませんでした。みなさん、本当に欲深いなあ。ただ、バルザックの言うように、「欲望」あればこそ生きる力も湧いてくることなのかもしれません。「世間」を観察し、美徳も悪徳も含めて描き出す、バルザックの力量。もっとも繊細かつ完成された「社会」派小説を、存分に堪能した一夜でした。

今回もお忙しい中、ご参加いただき、本当にありがとうございました。

(ゲンツ)

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